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遺言執行者とは?何をする人なのか、役割や必要なケースを紹介

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相続人間に深刻な対立がある場合や、遺言内容が複雑で専門的な知識が必要なケースでは、遺言内容が正確に実行されない、あるいは相続手続きが長期化するといった問題が発生します。

その際に選任すべきなのが遺言執行者です。遺言執行者とは、遺言者の最後の意思を実現するために重要な役割を担う人物。

遺言執行者を適切に選任しないと、遺言内容が正確に実行されない、相続人間の対立が深刻化するなどのリスクがあります。そのため、遺言執行者の役割や選任方法、必要なケースについて正しく理解しておくことが大切です。

本記事では、遺言執行者の具体的な職務内容、選任方法、報酬などの基本的知識を詳しく解説します。

遺言執行者とは

遺言執行者とは、遺言者が亡くなった後に、その遺言内容を実現するために必要な一切の行為を行う人物のことです。遺言者の最後の意思を尊重し、確実に遂行する重要な役割を担います。

具体的には、相続財産の管理や遺産分割の実行、遺贈の履行などを行います。遺言執行者は、相続人や受遺者の利益を考慮しつつ、中立的な立場で遺言の内容を実現することが求められます。

また、相続人間の対立がある場合や、遺言内容が複雑な場合には、その調整役としても機能します。遺言執行者の存在により、遺言者の意思が確実に実現され、相続手続きがスムーズに進むことが期待できます。

遺言執行者の法的根拠

遺言執行者の法的根拠は、主に民法に規定されており、民法第1006条から第1021条にかけて、遺言執行者に関する詳細な規定が設けられています

特に重要なのは民法第1012条第1項で、「遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する」と定められています。

この規定により、遺言執行者は広範な権限を持ち、同時に重要な義務を負うことになります。

また、2019年の民法改正により、遺言執行者の権限が強化され、単独で預貯金の払い戻しや不動産の名義変更などができるようになりました。これにより、遺言執行者の役割がより明確になり、遺言の実現がより確実になりました。

遺言執行者の権限と義務

遺言執行者には、遺言を実行するための広範な権限が与えられると同時に、重要な義務も課されています。ここでは、遺言執行者が具体的に何をすることができるのか、そしてどのような義務を負っているのかを解説します。

遺言執行者ができること

遺言執行者は、遺言の内容を実現するために広範な権限を持っています。具体的には、相続財産の管理や処分、遺贈の履行、債務の弁済などを行うことができます。

特に重要なのは、2019年の民法改正以降、遺言執行者が単独で行える行為が増えた点です。

例えば、預貯金の払い戻しや解約、不動産の名義変更、株式の名義変更などを、相続人全員の同意なしに行えるようになりました。また、遺言に基づいて不動産を売却し、その代金を相続人に分配することも可能です。

さらに、遺言認知や相続人の廃除など、特殊な法的手続きも遺言執行者にしかできない重要な権限。これらの権限により、遺言執行者は遺言者の意思を迅速かつ確実に実現することができます。

遺言執行者の義務

遺言執行者には、主に以下の義務があります。

  • 就職通知義務
  • 財産目録作成義務
  • 善管注意義務
  • 公平誠実義務
  • 遺言内容の速やかな実行義務
  • 報告義務

これらの義務について、遺言執行者は慎重に対応する必要があります。就職通知義務では、遺言執行者に就任したことを相続人全員に速やかに通知します。財産目録作成義務に基づき、相続財産の詳細な調査と目録の作成、相続人への交付を行います。

善管注意義務は、職務遂行において通常期待される注意を払うことを要求します。公平誠実義務では、特定の相続人を不当に優遇せず、公平な対応が求められます。

遺言内容は速やかに実行し、不当な遅延は避けなければなりません。また、遺言執行の経過や結果について、相続人への適切な報告も欠かせません。

これらの責務を適切に果たすことで、遺言者の意思を尊重しつつ、相続人の利益も守ることができるのです。遺言執行者の役割は、円滑な相続手続きの要となります。

遺言執行者の選任方法

遺言執行者の選任には主に次の2つの方法があります。

  • ①:遺言書による指定
  • ②:家庭裁判所による選任

それぞれ詳しく解説します。

①:遺言書による指定

遺言書による遺言執行者の指定は、最も一般的な方法です。遺言者が遺言書のなかで、特定の個人や法人を遺言執行者として指名します。

この方法の利点は、遺言者の意思が直接反映されることです。

遺言書には、「遺言執行者の氏名(法人の場合は名称)」「住所」「遺言執行者に指定するという明確な意思表示」の記載が必要です。複数の遺言執行者を指定することも可能で、その場合は各執行者の役割分担を明記することが望ましいでしょう。

ただし、遺言執行者に指定された人物が必ずしも就任するとは限らず、就任を拒否することもできます。そのため、遺言者は事前に候補者と相談し、承諾を得ておくことが重要です。

また、遺言執行者が辞任や死亡した場合に備えて、予備の執行者を指定しておくことも検討すべきです。

②:家庭裁判所による選任

遺言書に遺言執行者の指定がない場合、または指定された遺言執行者が就任しない場合、家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てることができます。

この申立ては、「相続人」「受遺者」「遺言者の債権者」など、遺言の執行に利害関係のある人が行えます。申立ては遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。

必要書類としては、以下のものが必要です。

  • 申立書
  • 遺言者の戸籍謄本
  • 遺言書の写し
  • 申立人と遺言者との関係を証明する書類

など

家庭裁判所は、申立ての内容や関係者の意見を聞いたうえで、適切な人物を遺言執行者として選任します。

この方法は、遺言者の意思とは別に、中立的な第三者が選任されるため、相続人間の対立がある場合などに有効です。ただし、手続きに時間がかかる場合があるため、迅速な遺言執行が必要な場合は注意が必要です。

遺言執行者が必要なケース

すべての相続で遺言執行者が必要というわけではありません。しかし、特定の状況下では遺言執行者の存在が非常に重要になります。

ここでは、遺言執行者が特に必要となる以下のケースについて解説します

  • 相続人間の対立がある場合
  • 複雑な遺言内容の場合
  • 法的手続きが必要な場合

次項より、個別にみていきましょう。

相続人間の対立がある場合

相続人間に対立や意見の相違がある場合、遺言執行者の存在が非常に重要になります。例えば「遺産の配分に不満を持つ相続人がいる」「特定の相続人が遺言内容に反対している」場合などが考えられます。

このような状況下では、中立的な立場にある遺言執行者が介入することで、公平かつ適切に遺言を執行することが可能です。遺言執行者は、各相続人の主張を聞きつつも、あくまで遺言者の意思を尊重し、法律に基づいて遺言を執行します。

これにより、相続人間の対立が深刻化することを防ぎ、円滑な相続手続きを進められます。また、遺言執行者の存在により、相続人が直接対立する機会を減らし、感情的な対立を抑制する効果も期待できます。

複雑な遺言内容の場合

遺言内容が複雑な場合、専門知識を持つ遺言執行者の存在が欠かせません。例えば、多数の不動産や事業用資産が含まれる場合、海外資産がある場合、或いは複雑な条件付きの遺贈がある場合などが該当します。

こういった状況では、法律や税務の専門知識が必要となることが多く、一般の相続人だけでは適切な対応が難しいことがあります。遺言執行者、特に弁護士や税理士などの専門家が就任することで、法的手続きや税務申告を正確に行い、遺言内容を適切に実現することができます。

また、複雑な資産評価や分割方法の決定など、専門的判断が必要な場面でも、遺言執行者の知見が活かされます。これにより、遺言内容の誤解や解釈の相違によるトラブルを防ぐことができます。

法的手続きが必要な場合

特定の法的手続きが必要な場合、遺言執行者の存在が求められます。特に重要なのは、遺言による認知(遺言認知)と相続人の廃除です。これらの手続きは、遺言執行者にしか行うことができません。

遺言認知とは、婚姻関係にない父親が遺言で子どもを認知することで、その子どもに相続権を与える手続きです。

一方、相続人の廃除は、著しい非行があった相続人から相続権を奪う手続きです。

これらの手続きは、戸籍や家族関係に大きな影響を与えるため、慎重かつ適切な対応が求められます。遺言執行者は、これらの手続きを法律に基づいて正確に行い、必要に応じて家庭裁判所への申立てなども行います。

また、遺言で財団法人の設立を指示している場合なども、遺言執行者による適切な法的手続きが必要となります。

遺言執行の流れ

遺言執行は、複数の段階を経て行われます。ここでは、遺言執行の全体的な流れを、5段階に分けて詳しく説明します。

  • 手順①:就職通知の送付
  • 手順②:相続人・相続財産の調査
  • 手順③:財産目録の作成と交付
  • 手順④:遺言内容の執行
  • 手順⑤:執行完了の報告

以下より、個別にみていきましょう。

手順①:就職通知の送付

遺言執行の第一歩は、遺言執行者が就職したことを相続人全員に通知することです。これは民法で定められた義務であり、遺言執行者に就任した後、速やかに行う必要があります。

通知の内容には、「遺言執行者に就任したこと」「遺言の内容」「今後の手続きの概要」などを含めます。この通知は、相続人に遺言の存在と内容を知らせるとともに、遺言執行者が正式に職務を開始したことを明確にする重要な役割を果たします。

通知方法は、内容証明郵便など、確実に相続人に届く方法を選択する必要があります。また、この段階で遺言書の写しを同封することも一般的です。

就職通知の送付により、相続人は遺言の存在を知り、必要に応じて遺言内容の確認や質問をする機会を得ることができます。

手順②:相続人・相続財産の調査

就職通知の送付後、遺言執行者は相続人と相続財産の詳細な調査を行います。相続人の調査では、戸籍謄本を取得して法定相続人を確定します。

場合によっては、遺言で指定された受遺者や特別受益者なども確認する必要があります。相続財産の調査では、遺言者の残した財産を網羅的に把握します。

不動産登記簿の確認、金融機関への照会、貸金庫の確認などを行い、預貯金や有価証券、不動産、動産、債権債務などを詳細に調べます。

この調査は非常に重要で、遺言内容を正確に執行するための基礎となります。

また、相続税の申告にも必要な情報となるため、できるだけ正確かつ詳細な調査が求められます。調査の過程で、遺言書に記載されていない財産がみつかることもあるため、注意深く調査を行う必要があります。

手順③:財産目録の作成と交付

相続人と相続財産の調査が完了したら、遺言執行者は財産目録を作成します。

財産目録には、相続財産のすべてを記載し、各財産の評価額も可能な限り記入します。不動産、預貯金、有価証券、動産、債権債務など、すべての財産を種類別に整理して記載する必要があります。

財産目録の作成は民法で義務付けられており、相続人に交付しなければなりません。この財産目録は、相続人が相続の諾否(単純承認、限定承認、相続放棄)を判断する上で重要な資料となります。

また、遺産分割の基礎資料としても使用されます。財産目録の作成にあたっては、正確性と公平性が求められます。相続人から財産目録の作成に立ち会いたいという要望があれば、それに応じる必要があります。

財産目録の交付により、相続人は遺産の全体像を把握し、遺言内容との整合性を確認することができます。

手順④:遺言内容の執行

財産目録の作成と交付が完了したら、いよいよ遺言内容の具体的な執行に入ります。この段階では、遺言書に記載された指示に従って、財産の移転や分配を行います。

具体的には、不動産の名義変更登記、預貯金の払い戻しと分配、有価証券の名義変更、動産の引き渡しなどを行います。また、遺贈がある場合は、指定された財産を受遺者に引き渡します。

遺言執行者は、これらの手続きを迅速かつ適切に行う義務があります。特に、2019年の民法改正以降、遺言執行者は単独で預貯金の払い戻しや不動産の名義変更などができるようになり、より円滑な執行が可能になりました。

執行の過程で相続人や関係者との調整が必要な場合もありますが、遺言執行者は中立的な立場を保ちつつ、遺言者の意思を尊重して対応しなければなりません。

手順⑤:執行完了の報告

遺言内容のすべての執行が完了したら、遺言執行者は相続人全員に対して執行完了の報告を行います。この報告は文書で行うのが一般的で、執行の経過や結果を詳細に記載します。

報告書には「各財産がどのように分配されたか」「遺贈がどのように履行されたか」「債務の弁済状況はどうなっているか」などを明記します。

また、執行過程で発生した費用や遺言執行者の報酬についても報告します。報告を受けた相続人は、執行内容に不明点や疑問がある場合、遺言執行者に質問や説明を求めることができます。

執行完了の報告により、遺言執行の透明性が確保され、相続人の理解と納得を得られます。また、この報告をもって遺言執行者の職務は基本的に終了となります。

遺言執行者に支払う報酬はどのくらい?

遺言執行者の職務に対しては、適切な報酬が支払われるのが一般的です。ここでは、報酬の相場や支払い方法について、具体的な情報を提供します。

報酬の相場

遺言執行者の報酬相場は、一般的に遺産総額の1%から3%程度とされています。ただし、この比率は遺産の規模や遺言執行の複雑さによって変動します。

例えば、遺産総額が大きい場合、報酬率は逓減する傾向にあり、5億円を超えるような大規模な遺産では0.5%程度に下がることもあります。

一方、遺産規模が小さい場合でも、多くの専門家は最低報酬額を設定しており、通常20万円から50万円程度です。

専門家に依頼する場合、その職種や経験によっても報酬が異なります。例えば、弁護士や税理士などの専門家に依頼すると、一般的に高めの報酬となる傾向があります。

遺言執行の内容が複雑な場合や、相続人間の対立により執行が困難な場合には、追加報酬が発生することもあります。

地域による差も存在し、都市部では地方より高めの報酬設定になることが多々あります。具体的な報酬額は、遺言執行者と事前に相談して決定することが一般的で、遺言書に報酬額を明記しておくことも可能です。

報酬の支払い方法

遺言執行者の報酬は、通常、遺産から支払われます。具体的な支払い方法としては、以下のようなものがあります。

支払い方法概要
遺産分割前に遺産から支払う遺産分割協議の前に、遺産全体から報酬を支払う方法。相続人全員の合意が必要となるが、遺言執行者の中立性を保つのに適している。相続税の計算上、遺産の減額要因となる。
各相続人が相続分に応じて支払う遺産分割後、各相続人が受け取った相続財産の割合に応じて報酬を負担する方法。相続人間で公平に費用を分担できるが、相続人全員の協力が必要。
特定の相続人が全額を負担する遺言者が遺言書で指定した特定の相続人が報酬全額を負担する方法。支払い方法が明確だが、指定された相続人の負担が大きくなる。遺言書に明記されていることが重要。
遺言者が生前に支払う遺言者が生前に報酬の一部または全額を支払っておく方法。遺言執行者の中立性が保たれやすく、相続人の負担がない。

報酬の支払い時期については、遺言執行の完了後に一括で支払うケースが多々ありますが、複雑な遺言執行の場合は、中間金として一部を先に支払うこともあります。

支払い方法や時期については、事前に遺言執行者と相談し、できれば遺言書にも明記しておきましょう。

遺言執行者の「辞任」と「解任」について

遺言執行者が職務を続行できなくなった場合や、不適切な職務執行があった場合には、辞任や解任の手続きが必要になります。

ここでは、その具体的な手続きと条件について解説します。

辞任の手続きと条件

遺言執行者の辞任は、就任前と就任後で手続きが異なります。就任前であれば、特に理由がなくても辞任(正確には就任の拒否)することができます。しかし、就任後の辞任には「正当な事由」が必要となります。

就任後の辞任手続きは以下のとおり。

手順①:辞任の許可申立て遺言執行者は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に辞任の許可を申し立てます。
手順②:正当な事由の説明申立書には辞任の理由を詳しく記載し、正当な事由があることを説明します。正当な事由としては、長期の病気、海外への長期出張、多忙な職務などが考えられます。
手順③:家庭裁判所の審査家庭裁判所は申立ての内容を審査し、正当な事由があると認められれば辞任を許可します。
手順④:辞任の通知許可が出たら、遺言執行者は相続人全員に辞任の通知を行います。
手順⑤:業務の引継ぎ辞任が認められた場合、それまでの業務内容や保管していた書類などを相続人に引き継ぎます。

なお、辞任が認められるまでは、遺言執行者としての職務を継続する必要があります。また、正当な事由なく辞任した場合、損害賠償責任を負う可能性もあるため注意が必要です。

解任の要件と方法

遺言執行者の解任は、以下の要件と方法で行われます。

<解任の要件>

  • 遺言執行者がその任務を怠ったとき
  • その他正当な事由があるとき

「任務を怠った」とは、遺言執行を全くしない場合や一部しか実行しない場合、遺言の内容に反する行為をした場合などを指します。

「その他正当な事由」には、長期の病気や行方不明、特定の相続人を不当に優遇するなど公正な遺言執行が期待できない場合などが含まれます。

手順内容
手順①:解任の申立て相続人その他の利害関係人が、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行う。申立書には解任を求める理由を具体的に記載する必要がある。
手順②:全員の同意原則として相続人全員の同意が必要。同意書や委任状などの書類を準備する。全員の同意が得られない場合、解任が困難になる可能性がある。
手順③:家庭裁判所の審査家庭裁判所が申立ての内容を審査する。必要に応じて遺言執行者から事情を聴取したり、関係書類の提出を求めたりする。審査には一定の時間がかかる。
手順④:解任の決定正当な事由があると認められれば、家庭裁判所が解任を決定する。決定書が申立人と遺言執行者に送付される。決定が出るまでは現職の遺言執行者が職務を継続する。
手順⑤:新たな遺言執行者の選任必要に応じて新たな遺言執行者を選任する手続きを行う。これには別途家庭裁判所への申立てが必要となる。新たな遺言執行者が選任されるまでの間、相続人が協力して遺言執行を行う必要がある場合もある。

解任の手続きには一定の時間がかかるため、その間の遺言執行の進め方についても考慮が必要です。

また、解任された遺言執行者は、それまでの職務内容や保管書類を新たな遺言執行者または相続人に引き継ぐ必要があります。

遺言執行者を選ぶ際の注意点

遺言執行者を選ぶ際は、中立性と公平性を最も重視する必要があります。全ての相続人に対して公平に職務を遂行できる人物を選ぶことが重要です。

特定の相続人との利害関係がない第三者を選ぶことが望ましいですが、相続人から選ぶ場合は他の相続人との関係性に十分注意を払いましょう。また、遺言執行には相当の時間と労力が必要なため、十分な時間的余裕があり、健康状態も良好な人物を選ぶことが大切です。

可能であれば、遺言者よりも長生きする可能性が高い人物を選びましょう。

さらに、遺言執行者の報酬について事前に合意し、遺言書に明記しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

まとめ

遺言執行者は、遺言者の最後の意思を実現する上で極めて重要な役割を果たします。本記事で解説したように、遺言執行者の選任は慎重に行う必要があり、その職務には法的責任が伴います。

遺言書を作成する際は、信頼できる適切な人物を遺言執行者として指名することが大切です。

また、遺言執行者に指名された場合は、その役割と責任を十分に理解し、必要に応じて専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

遺言執行の過程で問題が生じた場合や、複雑な遺産がある場合は、迷わず弁護士や税理士などの専門家に相談しましょう。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

丸岡 智幸(宅地建物取引士)

訳あり不動産の買取を専門にする会社の代表取締役。
相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産の買取を専門としている。
訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を運営。
買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』を2024年5月2日に出版。

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