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登記事項証明書とは?取得方法や必要書類について解説

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不動産取引は私たちの生活において、大きなライフイベントの1つです。その際、最も信頼性のある情報源として重要な役割を果たすのが「登記事項証明書」です。この文書は、不動産の権利関係や取引履歴、土地や建物の詳細など、物件に関する包括的な情報を知るためのもの。

今回は、動産の購入や売却、住宅ローンの契約や税控除の申請など、さまざまな場面でその価値を発揮するこの書類の取得方法や活用方法、その重要性について、詳しく解説していきます。

登記事項証明書とは

登記事項証明書は、会社や不動産のような法令で登記が必要とされている内容の証明書です。この書類は公的に公開されており、交付請求をすれば誰でも確認が可能。特に、会社の現状確認や、不動産の権利関係の明確化のためによく参照されます。

例として、会社の登記事項証明書には、商号、本店住所などの基本情報が始めに記載され、続く数ページで詳細な情報が示されます。

会社の登記事項証明書が必要とされる主な場面としては、以下のとおり。

  • 金融機関の融資審査や、出資・M&Aの際のデューデリジェンス
  • 補助金申請や許認可の手続き時の公式証明
  • 新しい取引の際の信用調査

登記簿謄本との違い

「登記事項証明書」と「登記簿謄本」は、内容的にはほぼ同じものを示す書類です。謄本は、もともとの文書を写し取ったものを指します。

かつて、登記の記録は紙の原本として保管されていたため、それを取得する際は「登記簿謄本」と呼ばれていました。だが、2008年以降のデータ化の進行に伴い「登記事項証明書」という名前に変更されました。

要するに、登記事項証明書とは、「デジタル化された登記記録を印刷した書類」と解釈できます。このデジタル化の大きな利点として、どの法務局からでも取得可能になったことが挙げられます。

登記事項証明書は誰でも取得できる

登記事項証明書は公開文書であり、不動産の所有者でなくても、申請するだけで取得できます。これは、不動産取引の透明性を高め、全体の安全性を確保するための仕組みとなっています。

登記事項証明書の種類

登記事項証明書の種類には、以下のようなものがあります。

  • 全部事項証明書
  • 現在事項証明書
  • 一部事項証明書
  • 閉鎖事項証明書
  • 登記事項要約書

各書類について、具体的にみていきましょう。

全部事項証明書

「全部事項証明書」は、過去から現在にかけての物件に関する全ての登記記録を包括的に掲載した重要な書類です。

所有権移転や抵当権の設定・抹消など、あらゆる事項が網羅されています。特別な理由がない場合、この証明書を持っていれば、多くのシチュエーションで問題なく使用できます。

現在事項証明書

「現在事項証明書」は、現在有効な登記情報のみを掲載した書類です。例えば、抵当権が抹消されている場合など、過去の情報は記載されません。

完済した住宅ローンや、解決済みの法的問題に関する記載も省略されるため、最新の状況が一目で分かります。

一部事項証明書

「一部事項証明書」は、必要な部分のみをピックアップして表示する証明書です。登記事項が多岐にわたる物件、例えば共同所有を前提とした分譲マンションなどでは、情報量が膨大になり、一部事項証明書が便利といえます。

この書類は、情報の可読性が高く、コストも抑えられるのが魅力といえるでしょう。

閉鎖事項証明書

「閉鎖事項証明書」は、過去に存在したが現在は閉鎖されてしまった登記記録を再確認できる特別な書類です。合筆や土地の統合のような手続きが行われた後に、以前の情報を知りたい場合に有効。

法務局は長期間、これらの記録を保持しており、これを利用して過去の土地や建物の詳細な情報を得ることが可能です。

登記事項要約書

「登記事項要約書」は、現在有効な登記事項を簡潔にまとめた書類です。しかし、正式な証明書としての効力は持っていないため、その点で注意が求められます。情報の確認目的であれば、費用面でお得になることもあり、その用途に合わせて選択しましょう。

登記事項証明書の取得方法

登記事項証明書の取得方法には、以下の3パターンがあります。

  • 窓口
  • オンライン
  • 郵送

それぞれの方法について、個別に解説します。

窓口

各地域の法務局や、駅周辺に設置されている出張所を利用する方法です。近くに法務局や出張所がある場合、窓口で直接手続きをすることが最も手早い手法といえます。法務局の公式サイトで出張所の一覧や問い合わせ先を確認することができます。

以前は、特定の管轄エリアでのみ手続きが可能でしたが、現在はどの法務局や出張所でも手続きが行えます。

申請書を窓口で受け取り、必要事項を記入し、収入印紙を購入して提出します。不明点や手続きの流れについては、窓口の担当者に相談することも可能。手続きが完了すると、その場で証明書が発行されるので、急ぎの場合はこちらが便利です。

オンライン

法務局のオンラインサービスを利用して、インターネットから申請する方法です。証明書の受け取りは、法務局での受け取りまたは郵送を選べます。

初回利用時にはユーザー登録が必要で、支払いはオンライン決済のみとなります。複数回の利用を予定している場合や、外出を避けたい場合に効果的。

ただし、初回利用や一度きりの利用を考えている方には、窓口での手続きの方が手軽かもしれません。

郵送

必要書類と収入印紙を郵送で送ることで、証明書を取得する方法です。手数料や収入印紙の購入は必要ですが、外出せずに全ての手続きを完了できる点がメリットです。

しかし、郵送申請の場合、手続きが完了するまでの時間が長くなることが考えられるため、時間的な余裕を持って手続きを行うことが推奨されます。

登記事項証明書の取得に必要なもの

登記事項証明書の取得の際には、主に「手続き用の書類」「印紙代」の2点が必要です。以下より、個別に解説します。

手続き用の書類

申請時には、法務局で提供される「申請用紙」を使用します。この申請用紙は、法務局の窓口でも受け取れますし、法務局の公式サイトからもダウンロード可能。

申請書には、請求者の名前や住所などの基本情報を記入します。特別な追加書類は基本的に必要ありませんが、自らの代わりに他の人に手続きを依頼する場合も考えられます。

印紙代

登記事項証明書の取得には、一定の手数料が必要です。この手数料として、指定された額の収入印紙を購入し、申請時に提供します。

取得する証明書の内容や申請方法によって、手数料は変動することがありますが、おおよそ500円から600円程度が一般的です。

法務局の窓口で直接取得する場合は、600円が一般的ですが、オンラインでの申請し郵送で証明書を受け取る場合には500円、オンラインでの申請し法務局の窓口で証明書を受け取る場合には480円と、少し割引されます。

物件ごとに、また土地や建物ごとに手数料が別途かかるため、複数の物件や土地を申請する場合には、総額を予め確認しておくとよいでしょう。

登記事項証明書が必要なケース

一般的には、以下のようなケースで登記事項証明書が求められるでしょう。

  • 不動産情報の確認
  • 不動産売却
  • 住宅ローンの利用
  • 住宅ローン控除の申請

次項より、詳しく説明します。

不動産情報の確認

不動産購入を考える際、その物件の過去から現在にかけての権利関係や履歴を知るために、登記事項説明書の取得が役立ちます。この書類は公的な情報を基に作成されるため、信頼性が高いのが特徴。

市区町村の役所での手続きと同じように、正確な情報を取得するために必要な手段です。

不動産売却

土地や家を売る場面では、購入希望者や不動産業者に対して、物件の登記事項証明書を提供することが一般的です。

中間業者を介するケースでは、業者側でこの書類を取得することもあります。しかし、売買を進める前には、書類の内容を確認することが重要ですので、しっかりとチェックしましょう。

住宅ローンの利用

住宅ローンを契約する際、金融機関は融資対象となる不動産を担保とします。このとき、登記事項証明書が物件の詳細情報の確認のために必要とされます。

一部の金融機関では、代わりにこの書類を取得してくれるサービスも提供されているため、事前に確認しておくとよいでしょう。

住宅ローン控除の申請

新しい家を購入するときや中古住宅を購入する際に住宅ローンを利用した場合、税制上の控除が受けられる場合があります。

この税控除を申請する際、登記事項証明書の提出が要求されることが多々あります。この書類は取引をサポートした司法書士からも提供されることが多いので、受け取った資料の中に含まれているかを確認しておくことが推奨されます。

まとめ

不動産に関連する多くの手続きや判断において、登記事項証明書は不可欠な存在となっています。この書類は、不動産の真実の情報を正確に伝え、取引の安全性と信頼性を確保する上での大切なツールといえます。

物件の詳細情報の確認から売買、住宅ローンの契約、税控除の申請に至るまで、さまざまなシーンで有効活用されています。

しかし、この書類の取得や利用に際しては、適切な知識と手続きが必要。不明点や不安要素がある場合は、専門家に相談することで、より確実でスムーズな手続きを進めることができますので、積極的に検討しましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール写真

川村 有毅(司法書士)

私が司法書士になる前は、接客サービス・営業等、お客様と直に接する仕事に長く携わってきました。
そこから、お客様とのコミュニケーションを事務的にせず、お話をしっかりと拝聴し、問題を共有することの大切さを学びました。
お客様と接する機会をもっと重要視し、人と人とのつながりを大切にします。
お客様に人の手のぬくもりが感じられる「あたたかな安心」を提供いたします。

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