共有持分【基礎知識】

親子の共有名義で住宅購入はあり?メリットや注意点を解説

親子の共有名義で住宅購入はあり?メリットや注意点を解説のサムネイル画像

住宅購入は、多くの人にとって生涯の中での大きな決断の1つです。購入にあたっては多額の資金が必要であることから「親子で共同購入する」というケースもあるでしょう。ただし、親子で共有名義を用いる場合、考慮するべき事柄が多々存在します。

この記事では、親子共有名義での住宅購入の際に留意すべきポイントや、そのメリット・デメリットを詳しく解説します。具体的な例を交えながら明確に説明しますので、ぜひお役立てください。

共有名義の不動産とは

共有名義の不動産とは、複数の人が所有権を共有している不動産を指します。共有名義は、共有者間での合意や法律に基づいて、それぞれの所有する権利の比率や範囲が決定されます。

共有者は各自の所有権の比率を持っています。例えば、AとBが不動産を3:2の比率で共有している場合、Aは3/5、Bは2/5の所有権を持っています。

共有者の一方が不動産を売却したり、大きな変更を加えたりする場合、他の共有者の同意が必要。さらに、維持・管理費:共有者は、それぞれの所有権の比率に応じて、不動産の維持や管理にかかる費用を負担することが一般的です。

加えて、共有名義の不動産は、共有者の死亡時にその相続人に引き継がれるため、「扱いにくい物件」であるといえるでしょう。

親子の共有名義で住宅を購入する方法

ここからは、親子の共有名義で住宅を購入する方法を解説します。

共有持分の分け方について

住宅を共有名義で購入する場合、最も重要なのが共有持分の設定です。これは、親と子のどちらがどれだけの持分を有するか、ということを意味し、それに応じて実際の費用の負担額も決定されます。

例えば、持分を「親:子=1:3」と設定した場合、総額4,000万円の住宅の購入に際しては、親は1,000万円、子は3,000万円の金額を負担することになります。

しかし、ここで重要なのは、実際の費用の負担と持分の比率が一致している点。もし不一致があると、その差額部分が贈与とみなされ、贈与税が課税されるリスクが生じます。例として、親が1,500万円を負担した場合、500万円分が贈与とみなされる恐れがあるのです。

土地と建物の分け方について

住宅購入時に土地と建物を両方取得する場合、どのように持分を分けるかの選択肢も考慮する必要があります。これによっては、将来的な売却や相続の際の取り扱いが変わることもあるため、慎重な計画が求められます。

例えば、親子の共有名義で3,000万円の住宅を購入する場合、負担額に応じて土地と建物の権利割合を計算してみましょう。

<シチュエーション>

  • 親:2,000万円
  • 子:1,000万円

この場合、親は総額の2/3、子は1/3を負担していることになります。従って、土地と建物の権利もこの比率で分けられます。

<負担割合>

  • 親:2/3(66.7%)
  • 子:1/3(33.3%)

親子の共有名義のメリット

親子の共有名義で住宅を購入するメリットとしては、以下のようなものがあります。

  • ローンの借入額が増える
  • ローンの借入期間が伸びる

次項より、順番にみていきましょう。

ローンの借入額が増える

親子での共有名義では、双方の収入を合わせてローン審査が行われます。その結果、単独での申し込みに比べ、より多くの額を借り入れることが可能となります。

特に、若い子が自身の収入だけでは希望するローン額に達しない場合、親の収入を加味することで希望の物件に近づけることが期待できます。

ローンの借入期間が伸びる

多くの金融機関は、住宅ローンの完済時の年齢を70歳前後と定めており、高齢者が単独でのローン契約を結ぶのは難しい状況となっています。

しかし、親子での共有名義の場合、多くの場合子の年齢を基準として考慮されるため、より長い返済期間を設定することが可能。これにより、月々の返済額を抑えられる可能性も高まります。

親子の共有名義のデメリット

一方で、親子の共有名義にはデメリットも存在します。具体的には、次のようなもの。

  • 相続トラブルを招く
  • 物件を簡単に処分できなくなる
  • 共有者がローンの延滞をすると一方が請求を受ける

以下より、個別に解説します。

相続トラブルを招く

親子間の共有名義を選択した場合、特に子に他の兄弟がいると、相続時にトラブルが発生する可能性が高まります。

たとえ親からの援助を受けて一緒に不動産を購入したとしても、親の死後、該当の不動産は兄弟全員での共有となる可能性があります。実際に、我々の経験でも兄弟間での共有物件の利用や相続を巡る問題は少なくありません。

物件を簡単に処分できなくなる

共有名義の物件を売却する際には、全共有者の合意が必要となります。これは、もし子が物件を手放したいと思っても、親が賛成しなければ手続きが進まないというリスクを意味します。

特に、親が長年の努力でローンを返済してきた場合、物件を手放すことに対する抵抗感が強くなる可能性もあるでしょう。

共有者がローンの支払いを延滞すると一方が請求を受ける

親子で住宅ローンを結んだ場合、一方が返済を怠ると、もう一方がその責任を負います。このような状況は、親子間でも緊張やトラブルの原因となり得ます。

例えば、親子がローンの返済計画を立て、親が当初の10年間を、続く25年間を子が担当するとした場合、親が計画より早く亡くなってしまうと、子の返済負担は想定以上に増えることとなります。

特に、親子リレーローンの場合、団体信用生命保険(団信)の加入は子のみとなることが一般的で、親が亡くなった際のローンの弁済は保障されないため、そのまま子へと残債が継承されます。

ペアローンを利用する場合

ペアローンは、夫婦や親子、兄弟など、2人以上の個人が連帯して住宅ローンを組む際の制度やサービスを指します。親子だけでなく夫婦間でも利用できるローンであり、2人分の借入額で住宅を購入することで、予算の枠を広げられる仕組み。

次項より、ペアローンを利用するメリット・デメリットをみていきましょう。

ペアローンを利用するメリット

ペアローンでは、参加者が同時に返済に取り組むことで、返済の期間を短縮しつつ、より多くの資金を借り入れられます。

参加者それぞれが独立してローン条件を設定できるため、それぞれの金利タイプ、返済期間、借入額などを自由に選択できるのが特徴。これにより、例えば親は短期間の変動金利、子は長期間の固定金利を選択するなど、柔軟な計画を立てられます。

さらに、ペアローンでは双方が団体信用生命保険(団信)に加入でき、突然のアクシデントが生じた際の安心感も得られます。団信により、万が一の死亡や高度障害発生時、ローンの残債が免除されるメリットもあるのです。

ペアローンを利用するデメリット

ペアローンを利用する際の注意点として、特に高齢の参加者がいる場合、その人の年齢や収入状況がローン審査に影響を及ぼすことがあります。

多くの金融機関はローンの完済時年齢を75歳~80歳までと定めているため、高齢者の参加は審査に不利になるケースも。

さらに、ペアローンは2本のローン契約となるため、関連する手数料や税金も2倍になる可能性があります。このため、ローンの条件や付帯費用をしっかりと比較検討することが重要です。

リレーローンを利用する場合

リレーローンは、ある一定の期間が経過した後、異なる借り手がローンの残債を引き継ぐ形で、新たにローンを組む方式を指します。主に親から子への住宅の引き継ぎなどの際に利用される制度です。

リレーローンのメリット・デメリットについても、以下より解説します。

リレーローンを利用するメリット

リレーローンの大きな魅力は、親と子の収入を合わせた審査が行われることで、もともとの収入が低めの場合でも、より大きな借入が可能となる点にあります。

特に、親が高齢の際にも、子が返済を後に引き継ぐことを前提とすることで、通常の制約よりも長い返済期間を設定できます。

例えば、65歳の親が住宅ローンを組む場合、通常では返済期間が限られるなか、40歳の子が後に返済を引き継ぐことで、35年の返済期間を確保することが可能となるのです。このようにして、月々の返済額を軽減させることも期待できます。

リレーローンを利用するデメリット

ペアローンとは異なり、リレーローンでは通常、親子のうちどちらか一方しか団体信用生命保険(団信)に加入できません。多くの場合、子の方だけが団信への加入が認められます。

親が現在返済を行っている間も、子は名義上住宅ローンの借り手となっているため、他のローン(例:自動車ローンや教育ローン)を組む際の審査に影響を及ぼす可能性があります。このため、リレーローンを活用する際は、他の負債計画もしっかりと考慮することが必要です。

親子の共有名義で住宅を購入する際の注意点

親子の共有名義で住宅を購入する際には、以下の点にも注意しましょう。

  • 負担額に応じて持分割合を決める
  • 子のライフプランも勘案しておく

それぞれについて、詳しく解説します。

負担額に応じて持分割合を決める

購入時の負担額として支払う金額に基づき、持分割合を明確に設定することが必要です。もし負担額と持分の割合が一致しない場合、それが贈与とみなされ、贈与税が課される可能性が出てきます。

加えて、購入後の持分移転も税務上の注意が求められます。幸い、贈与税には年間110万円までの基礎控除が適用されるほか、「相続時精算課税制度」といった減税措置も存在します。これらの制度を活用することで、税金の負担を最小限に抑えられるでしょう。

子のライフプランも勘案しておく

住宅購入は大きな投資であり、長期にわたるライフイベントに影響します。子の未来の出来事、例えば転職や結婚、出産など、さまざまなイベントが起こることを前提として計画することが賢明。

もし将来的に子がその物件から離れることとなった場合、「どのように対応するのか」を事前に明確にしておくことは大切です。物件を売却するのか、それとも親が継続して居住するのかなど、具体的なシナリオを考えて、両者で合意することが求められます。

まとめ

親子共有名義での住宅購入は、さまざまな要素を考慮しなければなりません。税務上の利点を最大限に活用するため、そして将来的なトラブルを未然に防ぐためにも、これらのポイントをしっかりと理解し、計画的に進めることが必要。

特に、贈与税の基礎控除や相続時精算課税制度などの税制上のメリットを活用することで、効果的に住宅購入を進められます。このような大きな決断では、専門家に相談することで、より安心して住宅購入を進められます。専門家のアドバイスをもとに、賢明な選択をしましょう。

本ブログで情報発信を行っている当社(株式会社ネクスウィル)は、訳あり物件の買取に特化したサービス「ワケガイ」を提供しています。

最短1日の買取が可能で、法的な手続きについては丸投げしていただけます。訳あり物件にお悩みの方は、ぜひ下記よりご相談ください。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

川村 有毅(司法書士)

私が司法書士になる前は、接客サービス・営業等、お客様と直に接する仕事に長く携わってきました。
そこから、お客様とのコミュニケーションを事務的にせず、お話をしっかりと拝聴し、問題を共有することの大切さを学びました。
お客様と接する機会をもっと重要視し、人と人とのつながりを大切にします。
お客様に人の手のぬくもりが感じられる「あたたかな安心」を提供いたします。

共有持分・訳あり不動産を早く高く買取ります 共有持分・訳あり不動産を早く高く買取ります
【共有持分の処分・買取】に
ついて今すぐご相談できます。

この記事をシェアする


icon folder 共有持分おすすめ特集

icon folder キーワードから記事探す

【共有持分の処分・買取】について今すぐご相談できます。